うたよむブログ

短歌のこと、読書会のこと

2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

忘れをる人の名前は無か夢か・・・(佐々木六戈)

忘れをる人の名前は無か夢か憶ひ出せない虫明亜呂☐ 佐々木六戈 /『佐々木六戈集』H15 『佐々木六戈集』より。 文学にしても、仕事にしても、生活にしても、どんなに精魂込めて取り組んでも、百年後・二百年後・三百年後、それが語り継がれることは、九分九厘…

少女よ下婢となりてわが子を宿さむか・・・(春日井建)

少女よ下婢となりてわが子を宿さむかあるひは凛々しき雪女なれ 春日井建/『未青年』S35 究極にして紙一重な歌。 この歌を前にして、結婚の話をするのは不似合いだが、よく結婚は「共同作業」だなんていう。 それは二人で生きていくのだから、助け合い・・…

感動を暗算し終へて風が吹く・・・(小野茂樹) @現代短歌の鑑賞101

感動を暗算し終へて風が吹くぼくを出てきみにきみを出てぼくに 小野茂樹/『羊雲離散』S43 清らかな流れを感じる恋の歌だ。 こういう歌を前にすると、時間の感覚がなくなってしまう。 40年以上も前の歌。 40年前って、東京オリンピックでカラーテレビがやっ…