うたよむブログ

短歌のこと、読書会のこと

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

冬ごもる蜂のごとくにある時は…(佐藤佐太郎) @現代短歌の鑑賞101

冬ごもる蜂のごとくにある時は一塊の糖にすがらんとする 佐藤佐太郎/『開冬』S50 蜂は冬を越える。 そんなこと、考えた事もなかった。 花があるから蜂がいる。 そういう相互補完的なイメージで結ばれていたけれど、確かに冬を越さなければ蜂だって命をつなげ…

舞台上いつぱいガラスの破片撒き・・・(山田航)

舞台上いつぱいガラスの破片撒き劇中それにはいつさい触れず 山田航/『さよならバグ・チルドレン』H24 リアルな手触りの怖い歌である。 ガラスの破片というのは、何か破壊的な衝撃を暗示させる。 一体何があったのか? それには一切触れないという。 そして…

一夜きみの髪もて砂の上を引き摺りゆく…(河野愛子) @現代短歌の鑑賞101

一夜きみの髪もて砂の上を引き摺りゆくわれはやぶれたる水仙として 河野愛子/『鳥眉』S52 狂気とは、なんて女性的な衝動で、醜くまた艶めかしいものだろう。 裏切り、嫉妬、別離・・・ 狂気の引き金は、どこにあるかわからない。 普段はそのスイッチが自分自身…

「時空を超えて」

短歌総合新聞『梧葉』vol.37に小文「時空を超えて」が掲載されました。昔の人の恋が現代の私たちに伝わる歌の不思議。もし手にする機会がありましたら、読んでいただけると嬉しいです。