うたよむブログ

短歌のこと、読書会のこと

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

片恋よ 春の愁いの一日を・・・(服部真里子)

片恋よ 春の愁いの一日をティッシュペーパーほぐして過ごす 服部真里子/『行け広野へと』H26 無自覚の情念というものがあるとすれば、それは掲出歌みたいなものかもしれない。 狂おしさや激しさが表出しない、自分で気づくことができない情念。 手持ち無沙汰…

たちまちに君の姿を霧とざし…(近藤芳美) @現代短歌の鑑賞101

たちまちに君の姿を霧とざし或る楽章をわれは思ひき 近藤芳美/『早春歌』S23 音楽がある人のイメージと重なるということはたまにある。 ある曲を聴いて、その人を思い出すという具合に。 メロディが引き金になって、情景や人物が生き生きとよみがえるのだ。 …