うたよむブログ

短歌のこと、読書会のこと

2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

おもひみよ伊勢物語十二段…(山田富士郎) @現代短歌の鑑賞101

おもひみよ伊勢物語十二段月さす踊場のごとく遊びき 山田富士郎/『アビー・ロードを夢見て』H2 突然、歌が体にしっくりくることがある。 理屈ではない。 正しいかどうかすらわからない。 けれど、誰かの歌が、自分の体の内側から響いてくるような錯覚に陥る…

ぼろぼろの皮膚をかぶつて象は立つ…(都築直子)

ぼろぼろの皮膚をかぶつて象は立つ 一握の糖、一会(いちゑ)の愛撫 都築直子/『淡緑湖』H22 都築直子さんの『淡緑湖』より。 にぎやかな観光地で繰り返される、象と人との一期一会。 一首の背後からは、かなしいくらいに観光客の歓声やざわめきが湧きあがっ…